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共生圏からの出発
仲間の顔がはっきり見えていないとチームワークは乱れます。行動を共にする仲間たちが暮らしている範囲って、一体どんな所なのでしょうか?それは、大まかに言えば「同じ風景を見ている仲間」であり、また、水害などに対する「防災意識を共有する仲間」と言い換えることができると思います。
私たちは、この問いに対する回答として、「環境圏」という捉え方を提示します。
下の図を見ていただきましょう。これは、公害の原点とも言われる”水俣病”が発生した水俣市の姿を示しています。木の枝か葉脈のように見えるのが水俣川です。木の幹を支えている根の部分のように黒く見えるのが不知火海(しらぬいかい)です。市域の境界は隣接する地域との分水界です。
 水俣市は、降った雨が水俣川に注ぎ最後は不知火海に至る一つの独立した集水域によって構成されています。不知火海に流れ出る水に対する責任は水俣市民全体が背負っているのです。

共生圏からの出発イメージ「 環境圏」とは、このように「自らの責任において、我々の生命の基盤である”水”を質・量ともに管理できる範囲」を意味しています。私たちにとって、「行動を共にする仲間の顔がはっきりと見える範囲」の原形というのはこのようなものだと思います。

この「環境圏」という地域の捉え方は、地球のどの地域にも当てはめることができます。水俣川を軸とする環境圏と球磨川などを軸とするそれが不知火海によって一体化し、”不知火海環境圏”を形成するように、ナイル川やローヌ川などを軸とする環境圏によって地中海環境圏が形成されています。ここには、「基本的な構造を同じくする小さな部分の集合が全体を構成する」という普遍的な関係性があります。ゆえに、個の問題は全体の問題であり、どんな小さな流域、集落、個人であっても、それは部分が問題が全体を再生させていくモデルとなるのです。
今後は「自治体」とか「分権型地域社会」というものは、この環境圏という計画単位によって再構築されていくことになります。

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